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5月13日のまにら新聞から

「破戒神父」を許すな

[ 679字|2002.5.13|社会 (society)|新聞論調 ]

犯罪を隠す教会

 修道女による女性支援団体はこのほど、女性と性交渉を持つ神父がいると告発した。また神父によるレイプ被害者の存在もカトリック司教協議会の調査で明らかになった。

 告発を受け、同協議会は謝意を表明。これまで他教区に移動させるだけだった「破戒神父」の処分を、聖職からの解任措置に強化することを明らかにした。

 しかし、なぜカトリック教会はこれまで解任措置を取らなかったのだろうか。レイプや児童へのわいせつ行為は戒律違反だけでなく、犯罪だ。

 被害者への謝罪も賠償も怠り、長年にわたって隠し通してきた教会側は共犯者と言える。今後も犯罪を犯した聖職者を隠匿し続けるのではないかと疑いたくなる。

 今回、マニラ大司教区のビリエガス報道官は「破戒神父を非難することは、彼らを改心させ、立ち直らせる最善の方法ではない」と発言。「教会は魂を救うところ。裁判所ではないので、信者は彼らが改心できるように祈って欲しい」と語っている。

 だが、シン枢機卿はエストラダ前政権末期、数々の疑惑に直面した前大統領への「許し」や「同情」は愚かなことだと語っていた。「魂を救うのが仕事」と言いながら政治に干渉することもしょっちゅうだ。

 現在も前大統領を非難し続けている反面、アロヨ大統領には決して批判の矛先を向けない。

 報道官は「『愛』こそが最も大切な教義だ」と語っているが、性犯罪者を隠匿していたのに、よくもまあ「愛」や「許し」といった道徳を伝道できるものだ。敬けんな信者は、汚点だらけの教会を信じることができなくなっている。

 神は美しい。だが、神父は異なる。(10日・トリビューン)

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