新聞論調
保持すべきプライド 比人の英語力問題
外務省はこのほど、「フィリピン人の強みとされてきた英語力が次第に低下している」との危機感を表明した。
この百年間、われわれフィリピン人は正当なバイリンガル(二カ国語話者)であると断言できた。大半が地元言語のほか、英語の読み書き、会話ができた。世界で通用する言葉を新征服者、米国人から取り入れたからである。以来、米国文化や生活様式なども取り入れた。これらはわれわれに優位をもたらしたことが証明された。
この英語能力は、フィリピンの経済力が第二次世界大戦後、アジア地域で二番目だったことの裏付けの一つかもしれない。しかし、残念なことに、多くのフィリピン人が英語を得意とするにもかかわらず、フィリピンはここ四十年間で大半の隣国に追い抜かれたのも事実だ。
外務省の危機感表明はこの強みが消え失せつつあることへの警告である。英語能力の低下は数値で表示されたわけではないが、在サイパンのフィリピン総領事館から「英語の指導マニュアルがほしい」という異例の依頼があった。サイパン在住フィリピン人は、徐々に雇用主の英語が聞き取れなくなっているのだ。
われわれの世界言語への精通力が弱まっていることは決して冗談ではない。事実、数年前に既にある調査機関がこの点を指摘していた。
タガログ語を基にしたフィリピノ語を家庭やエンターテインメント、教育語として使うのはまったく正しい。しかし、英語は媒体として重要なので捨てることはできない。
プライドの問題としても、学生が正しい英語を学び続けることは保証しなければならない。英語はわれわれが保持すべき強みの一つであるからだ。(22日・スタンダード)