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1月28日のまにら新聞から

正しい知識の修得へ

[ 708字|2002.1.28|社会 (society)|新聞論調 ]

イスラム学校の再構築

 国家警察は、ミンダナオ島にあるイスラム学校が若者をテロリズムに洗脳するために使われているという報告書に注目している。その学校はマドラサスと呼ばれるが、一部の学校ではゲリラ戦やテロ活動などを教えているというのだ。ウサマ・ビンラディン氏の率いるアルカイダが資金援助している学校もあるという。

 ミンダナオ島選出の下院議員は、この報告はイスラム教徒を傷つけるだけだと反発しているが、フィリピンだけの話ではない。マレーシアのクアラルンプールではイスラム学校に対する規制を強化する動きが出ている。パキスタンのムシャラフ大統領がテロリストを養成していたとして国内のイスラム学校を閉鎖した例をマハティール首相は引用している。パキスタンは、米国の唱える国際的な反テロ網に参加したのだ。

 ミンダナオ島では従来から正式な国家主導の教育制度の導入を計ってきたが、治安問題の悪化により十分に進んでこなかった。アブサヤフが一般の学校に押し入り、キリスト教徒の先生や生徒を人質に取るなど事件が多発したため、多くの教師が教壇を離れた。事件再発を恐れる親たちが子どもをイスラム学校に行かせようとする例も多いという。

 このような経緯からイスラム学校がテロの温床などと決めつけることはもちろん出来ない。しかし、一般の学校でも常にカリキュラムの見直しを行っているのだ。国家警察の介入は問題かもしれないが、イスラム教徒自治区政府の職員がマドラサスを監視すれば問題はなかろう。

 穏健なイスラム教徒たちは信仰の名のもとに残虐行為を行う人間に対し批判的だ。信仰に対する正しい知識が若いイスラム教徒に与えられることは実に大切なことだ。(25日・スター社説)

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