ハロハロ
ごみ廃棄場で生きるパヤタスの人々を描いた映画「神の子たち」を見ました。昨年七月に起きた集積場崩落事故前後の生活ぶりを撮ったドキュメンタリーです。カメラで切り取られた「現実」は衝撃的です。これから見る人のために感想は差し控えますが、映像で伝えられないもう一つ強烈なものが「におい」です。取材に行った記者は靴、衣服、髪などに染み付いた悪臭に悩まされていました。
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日本では地方自治体が資源リサイクル、ごみ減量の流れの中で回収に積極的になりました。仕分けが煩雑だと主婦には不評ですが、一定の効果は上がっているようです。パヤタスではあれだけの人が劣悪な条件下、回収作業で生活を成り立たせ、かつ資源が再利用されているという厳然たる事実があります。このメカニズムを別次元で組み立てれば「生活」も「環境」も改善の道がありそうです。
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主演の一人、水頭症のアレックス君も車椅子で来ていました。足には真新しい靴。貧しい暮らしの中で歩けない子供に靴を新調して上映会に参加させるー水色のスポーツシューズに悲しい親心を見る思いがしました。 (紀)