ハロハロ
[ 342字|2001.7.9|社会 (society)|ハロハロ ]
天体望遠鏡を買った。時は七夕。いざ、と夜空を見上げると星はほとんど見えない。星座も描けない。世情とは対照的な、明るすぎる夜をうらやみながら焦点を数キロ先のビルの窓に合わせた。
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エストラダ前大統領には、人を引き付けるオーラのようなものがある。罪状認否のあった六月末。前大統領は左手を軽く挙げながら、裁判所職員らの前を通り過ぎた。それだけで「観客」の顔に軽い興奮が浮かび上がる。視線の先にいるのは往年の映画スター。歴史的裁判の被告ではなかった。
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あす、前大統領(64)の罪状認否(略奪罪)。略奪で有罪になった場合、最高で死刑が科せられる。ただし、刑法で七十歳以上の死刑は禁止。夜空の下、「判決は死刑だけど刑執行は猶予しようかな」と落とし所を探っている人たちがいるかも。(酒)