「仲間」選びにするな
全国統一選挙の意義
来月十四日に予定されている全国統一選挙は、エストラダ前大統領への信任投票となるだろうか?与党と野党のそれぞれの連合候補者は「そうだ」と主張するが、無所属候補者たちは「そうであってはならない」と主張している。
野党連合の候補者たちは、今度の選挙が最近の政治危機を解決する試金石と見なし、「置いてきぼりにはしないぞ」をキャッチフレーズにして国民の前大統領に対する忠誠心に訴えている。しかしこの訴えは、「俺たち」か「彼女たち」かという、仲間意識に訴えかける戦略なのだ。
無所属候補者たちは、このエストラダ対グロリア・アロヨという仲間意識のぶつかり合いをあおり立てる選挙を、政治的成熟さからはほど遠いものだと考えている。例えば、エストラダ政権とアロヨ政権の国防相を務め、今回上院議員選挙に立候補しているメルカド氏も「国民は自分たちの仲間グループを選択するつもりで上院議員に投票するのだろうか?」と疑問を呈している。
ただし、これら無所属立候補者と言われるメルカド氏やニュースキャスターのデカストロ氏、前証券取引委員会委員長のヤサイ氏らも、与野党連合との何らかのつながりが指摘されており、純粋な無所属とは言えないようだ。しかし、彼らの指摘は正しい。任期六年で二期まで勤められる立法府の要職なのだ。
今後六年間に限っても、政府が取り組むべき重要な国政課題は山積している。例えば、南沙諸島を巡る中国との領土問題、世界貿易機関での貿易自由化問題、フィリピンの連邦共和国制への移行議論などである。今回の熱気あふれる選挙で選ばれる議員にこの複雑な政治問題を十分に扱える資質があるだろうか?。