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4月9日のまにら新聞から

候補者に問題提起を

[ 707字|2001.4.9|社会 (society)|新聞論調 ]

歌と踊りの選挙運動

 歌と踊り、候補者の泥仕合、おそろいのキャンペーン服で身を固めた運動員たち。毎度のことながら中身のない選挙運動には落胆させられる。

 これは、野党連合に限ったことではない。アロヨ大統領が「新しい政治」を掲げる与党連合も五十歩百歩。政権交代を実現させた「エドサ2」の精神とは余りにかけ離れている。

 同大統領は決起集会で、「良き統治こそ与党連合候補者の看板」と言い切った。「良き統治」は望むところだが、当の候補者たちは大統領の示す大方針を知らないか、無視しているとしか言いようがない。

 ところで、「良き統治」とは一体何か。上院選の選挙運動が始まって一カ月が経過したが、候補者の言動からはその実体は見えてこない。それどころか、候補者は自分の名前と「投票を」という決まり文句を連呼するだけで、個別の公約、政策さえ有権者に伝わっていないのが現状だ。

 このような状態で、候補者が国民との対話の中から国の直面する諸問題をくみ取ることは難しいだろう。そこで私たちは、各セクターや市民団体から提起された問題を紙面に掲載することで、政策本意、有権者本意の選挙運動への転換を訴えてきた。

 新たな試みの目的は、国政選挙の候補者に諸問題への取り組み方をただすことにある。問題別に候補者の姿勢を問うことで、選挙戦の中身はより濃くなる。上院選など国政選挙の場合、貧困や失業、福祉などより幅の広い問題。首長ら地方選の候補者には、ごみ、犯罪、交通渋滞などより生活に密着した問題を提示し、その政治姿勢を問うべきだ。

 お祭り騒ぎの選挙戦に、政策や理念といった実体を伴わせる作業は容易ではないが、われわれは有権者と国のため、今後も挑戦を続ける。

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