略奪は本当に違法?
宇宙人との会話
三週間前、私の家を宇宙人が訪れた。彼は裏庭にある長椅子に腰掛け、新聞を読みながら私に質問してきた。
宇宙人「エラップ(エストラダ前大統領の愛称)って何だ」
彼の三つの目に見つめられ、いささか動揺しながらも私はこう答えた。「エラップは人だから『何』ではなく『誰』だよ」。
宇宙人「なるほど。ところで今彼は略奪容疑で告発されているが、略奪罪って何だ」
私「略奪罪は権力を悪用してばく大な資産を蓄えることで、虐殺のような大量殺人と同様、重罪なんだよ」
宇宙人「大金を集めることはそんなに重罪なのか」
私は説明するのにうんざりし始めた。
私「問題は国民の大多数が貧困にあえいでいる中で、ばく大な資産を違法な手段で蓄えたことにあるんだよ」
宇宙人「このエラップとかいう人物を除くと、今まで誰もこんな事はやらなかったのか」
私「少なくとも違法賭博からの献金で蓄えた人はいないよ」
宇宙人「略奪を規制する法律は世界各国にあるのか」
私「ほかの国のことはよく知らないが、わが国にはある。世界に先駆けて略奪容疑で前大統領を訴追するよ」。
宇宙人「韓国では元大統領を汚職や略奪罪で投獄しているけど、この国ではみんな騒ぐばかりで何も実行されてない。本当に略奪はこの国で違法なのか」。
いいかげん頭にきた私は、出入国管理局に電話して、この来訪者を「好ましくない外国人」に認定させ国外退去にしてもらった。