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2月12日のまにら新聞から

選挙に各セクターの声を

[ 695字|2001.2.12|社会 (society)|新聞論調 ]

比例代表制の承認審査

 イデオロギーの実現や各セクターの権益の獲得を求める市民団体が中央選挙委員会に登録し、国政選挙の得票数に応じて国会に議員を送り込む比例代表制による下院議員数の上限は全議員数の二〇%と決められている。しかし今年五月の国政選挙ではさらに多くの団体が比例代表制を通じた国政参加を求めている。

 比例代表制で選ばれたロサレス下院議員は、五月の国政選挙で比例代表制への参加認定を求める組織が百四十三団体にのぼり、しかもいずれも「大規模で資金もあり、影響力のあるグループである」ことを理由に参加の制限を求めている。

 フィリピン地方議会議員連盟やフィリピン公立学校教師組合など政府系組織もあれば、フィリピン医師会やフィリピン歯科医師会など専門職団体もある。さらに国軍の在郷軍人によって組織されたグループも新たに国政へのキップを求めて参加申請を行っているという。

 同議員は、これら多くの資金力のある団体が比例代表制に参加するのを無条件に認めれば、社会の底辺にいる人たちの利害を代表する者が一定の比率で国政に参加することを定めた憲法を歪めることになると警告している。だが、同議員は、その承認申請を審査する際の基準については明らかにしていない。

 どの団体が真に各セクターを代表しているのかを認定するのは困難だ。憲法の当該条項も「全国的、地域的、セクター的な党派か組織」と定義しているだけだ。この際、すべての団体の参加を認めてはどうだろうか?マカティ・ビジネス・クラブでも申請すればその参加を認め、共産党系の組織と一緒に国民の審判を受ければよい。武力で政治権力を手に入れるよりはよっぽどましだと思うのだが。

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