比日米海軍種の共同活動実施 南シナ海スカボロー礁周辺で
南シナ海スカボロー礁の周辺で6日、比日米海軍種による海上共同活動が実施された
フィリピン海軍のトリニダッド報道官によると、南シナ海で比の排他的経済水域内に位置し、中国との領有権紛争の最前線となっているスカボロー礁(比名パナタグ礁)の周辺で6日、フィリピンと日本、米国の海軍種による第5回目の「海上共同活動(MCA)」が実施された。
サンバレス州沖のスカボロー礁をめぐっては今月4日に巡回中だった比沿岸警備隊(PCG)の巡視船と漁業水産資源局(BFAR)の漁業取締船に、中国海警局船が放水砲を発射し、後方から衝突するなどしている。また、中国政府が同礁を自国領として明記した「領海地図」を国連に提出したと発表したばかり。
同報道官によると、6日の海上共同活動はスカボロー礁から南方に約40カイリ(約74キロ)離れた海上で行われた。
比海軍からは大型哨戒艦のBRPアンドレス・ボニファシオとCー90哨戒機が参加し、米軍からはP8-A哨戒機、日本の海上自衛隊からは護衛艦「さみだれ」が参加した。
トリニダッド報道官は「海上共同活動は国際法に則り、航行の安全と他国の権利や利益に適切な注意を払う方法で、参加国の間での相互運用能力を引き上げるために実施された」と説明している。
海上自衛隊の護衛艦「さみだれ」は3日にマニラ南港に到着しており、4日には比海軍と米軍、オーストラリア軍と日本の海上自衛隊の関係者らが同護衛艦に乗船して海上共同活動の実施前会合を行ったという。
また、海上自衛隊護衛艦「さみだれ」の艦長を務める古賀直樹2等海佐はマニラ市にある比海軍司令本部を表敬訪問したほか、4日には遠藤和也駐比日本国大使による訪問も受け入れて、艦内を案内している。(澤田公伸)