さまよう死者の1票 幽霊有権者」による不正投票
(新聞論調)死亡した登録有権者の身元を利用した「幽霊有権者」による不正投票について、内務自治相はまだ言及していない
アバロス内務自治相は、10月30日に行われたバランガイ(最小行政区)議会・青年評議会選挙において、候補者間争いの「ホットスポット」と事前に宣言された地域での暴力事件を除けば、全過程が大きな混乱なく完了し、最も成功した選挙だったと評価した。ミンダナオ地方バンサモロ自治区の管轄地域を中心に19人の死者が出たにも関わらず、である。
一方、アバロス氏は中央選挙管理委員会に対し、地方自治体の幹部が特定の候補者に便宜を図り、嫌がらせや買票を行ったという報告や、不正に手を回したとされる内務自治省監督下の国家警察職員の調査に協力する姿勢を示した。
万聖節の11月1日には、アバロス氏は妻であるマンダルーヨン市のメンチー副市長と一緒に、亡くなった母親と19歳の娘の墓参りをした。この選挙が行われたのは死者の魂が現世をさまようハロウィンの前日であることを思い起こさせる。
特筆すべきは、アバロス氏がまだ「幽霊有権者」に言及していないことだろう。すでに死亡した登録有権者の身元を利用し、特定の候補者を当選させるために雇われた、いわゆる不正投票のことだ。
中央選管が「幽霊有権者」を公式登録簿から「祓(はら)う」ことに成功していたのかを判断するのは少し早いかもしれない。まだ全国の現地事務所から、明らかな不正の報告だけでなく、潔く負けを認められず負け惜しみに尽力する人たちによる苦情を受け付けている最中だからだ。(3日・スター、マリチュー・ビリャヌエバ)