前政権で入国禁止の米議員が訪比 マルコス大統領とも面会
前政権で入国禁止措置を受けた米国のマーキー議員率いる使節団が訪比し大統領らと面会
ドゥテルテ前政権で入国禁止措置を受けた米国上院のエドワード・マーキー議員=民主党=率いる米議会使節団が18日、フィリピンを訪問し、マルコス大統領、レムリヤ司法相と会見した。同上院議員は、反麻薬戦争の急先鋒であり、麻薬取引関与の罪で拘束されているデリマ元上院議員に支援を表明したとして前政権下に入国禁止を宣言されていた。
同議員使節団は訪比に先立ち、14日夜に事前予告なしで台湾を訪問。これを受け、人民解放軍は軍事演習を再開している。ペロシ下院議長訪台に続き、米議会のアジア諸国における強権的統治体制、人権問題に対する「攻めの姿勢」が示された格好だ。
大統領は自身のフェイスブックで、マーキー議員率いる米議会使節との面会は自身の「喜び」として歓迎の意を表明。その上で、再生可能エネルギー、農業開発、経済改革に加え、麻薬問題の解決についても「比米のパートナーシップの継続に期待している」と述べた。
19日の英字紙ビジネスミラー電子版によると、在比米国大使館のガンゴパドヤイ広報官は、使節団がマラカニアン宮殿で大統領、司法相と面会後に、比国会議員との会合を19日にかけて行う予定であることを明らかにした。
マーキー議員は2019年にデリマ議員の拘束および、オンラインメディア「ラップラー」のマリア・レッサ最高経営責任者への当局による弾圧に対する非難決議を通過させている。それを受けドゥテルテ前大統領は、「内政干渉」としてマーキー議員らを比入国禁止とする対抗措置を取っていた。
同使節はマーキー議員のほか、ジョン・ガラメンディ下院議員=民主党、アラン・ローウェンタール下院議員=同、ドン・ベイヤー下院議員=同、アマタ・コールマン・レイドワーゲン下院議員=共和党=の与野党議員計5人で構成されている。(竹下友章)