来月国連総会で演説へ 6年振りの大統領訪米
大統領が来月の国連総会で演説へ。超法規的殺害への対応の説明も行う見込み
ホセ・ロムアルデス駐米フィリピン大使は15日の外国人特派員協会の会見で、ボンボン・マルコス大統領が来月21~27日に米ニューヨーク市で開催される第77会国連総会の一般討論で演説を行う予定であることを明らかにした。演説では自己紹介のほか、西洋諸国からの追求に備え、前政権の麻薬撲滅政策下で行われた超法規的殺害問題にも言及する見通し。また訪米時、各国首脳との会談も行うとしたが、それにバイデン米大統領が含まれるかどうかの明言は避けた。
比大統領の訪米は、ドゥテルテ前大統領が任期中一度も訪米しなかったことから、2016年2月に米カリフォルニア州で開催された米国・東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議にノイノイ・アキノ元大統領が出席して以来6年ぶり。
公式統計でも約6000人の容疑者殺害が記録され、国際刑事裁判所(ICC)が捜査を行っている同問題についてロムアルデス大使は「現政権は『法の支配』の原則に従い、捜査権限を抑制的に使うために新たな警察官の捜査規則を策定済みだ」とし、大統領が比政府の対策と立場を説明するとした。
また同大使は「訪米のもう一つの目的は米国金業に比への投資を呼びかけることだ」とし、大統領が米企業家や財界リーダーらと会談を行う予定であることを明らかにした。
マルコス現大統領は、父・マルコス元大統領の人権問題に関し米国で提起された訴訟を巡り、ハワイ地裁から法廷侮辱罪で少なくとも3億5300万ドルの罰金の支払いを命じられている。就任前は訪米とともに拘束されると言われていたが、米国務省は「国家首脳は外交特権により免責される」と明言している。(ジャスパール・タン、竹下友章)