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8月23日のまにら新聞から

平和を求めているか

[ 685字|2004.8.23|政治 (politics)|新聞論調 ]

共産党と和平交渉

 アロヨ大統領がブッシュ米政権に頼み事をするのに、今は適当な時期でないことは明らかだ。両国間の関係強化をうたった共同声明が出されたにもかかわらず、依然ぎくしゃくしたものが残っている。

 イラク武装勢力の人質となった比人運転手救出のため比平和維持部隊をイラクから撤退させたことで、ブッシュ政権の主導する対テロ戦争の信頼される同盟の一員だったアロヨ政権はワシントンから優先順位を下げられてしまった。

 こんな中、フィリピン共産党はその軍事部門、新人民軍(NPA)に対するテロ組織再指定の解除を米国に働き掛けるよう比政府に求めている。同党の最高指導者でオランダに亡命しているホセ・マリア・シソン氏は、同党の統一戦線組織、民族民主戦線(NDF)に比政府との和平交渉を無期限で延期するよう指示した。だが、比政府はその圧力に屈しようとしていない。欧州連合(EU)にもNPAをテロ組織リストから除外する気配はない。

 ここ数年、NPAの活動は金目当ての殺人や一般市民からの「革命税」徴収という恐喝行為に堕している。バスやビルの焼き討ち、支払いを拒否した市民への襲撃などは「テロ」行為以外の何ものでもない。

 テロ組織への再指定は、共産党の弱みを直撃した。国際的な資金源を枯渇させ、シソン氏のオランダでの立場を脅かしている。米政府はテロ組織指定解除は、やぶさかでないという。ただし、武装闘争を放棄し、比政府との和平に合意すれば、との条件付きである。平和を求めているのなら、当然そうするであろう。しかし、共産党が本当に平和を求めているのかどうか、という問題が残っている。(17日・スター)

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