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8月12日のまにら新聞から

貧困根絶を優先せよ

[ 696字|2002.8.12|政治 (politics)|新聞論調 ]

共産ゲリラ問題

 フィリピンは時の歪みの中で身動きが取れなくなっているように見受けられる。イスラム過激派、アブサヤフの掃討にめどがついたことで、アロヨ大統領はこのほど国軍に対し、共産党の軍事部門、新人民軍(NPA)への攻勢を強めるよう指示した。

 共産主義は何年も前に破たんしている。もし毛沢東が現在生きていたとしたら、自ら創設した国を共産主義国と識別できないだろう。キューバ、朝鮮社会主義人民共和国、ベトナムの存在は、なぜ共産思想が世界的に受け入れられなくなったかを示す好例だ。

 しかし、我々はいまだに共産主義者の反乱と向き合っている。地方におけるNPAの活動はひどく分裂し、その歴史は血で染まっている。党最高指導者は欧州で快適な亡命生活を送り、現地で市民権を獲得しようとしている。NPAは単なる盗賊へと身を落とし、略奪行為や営利誘拐に従事するだけの存在に成り下がった。資金源も枯渇している。

 にもかかわらず、この国で共産主義が問題を投げかけ続けているのには理由がある。

 歴代政権はNPAの破壊活動の根底にあるものを省みようとしなかった。ミンダナオ地方でイスラム問題が発生したのと同様、根本には貧困と政府の無関心がある。国軍や警察を使い制圧する一方、正義は実現されず、開発のテンポは著しく遅れた。こうした政府に対する失望が、人々をゲリラ活動へと駆り立てたのだ。

 ゲリラが「革命税」徴収失敗の腹いせにバスに放火したら、政府は彼らを掃討べきだ。政府は国民を守る義務がある。ただし、それ以上に積極的に取り組むべきなのは、貧困との戦いである。ゲリラを生む土壌を根絶していくしか道はない。(7日・スター)  

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