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7月22日のまにら新聞から

総力戦で汚職撲滅を

[ 703字|2002.7.22|政治 (politics)|新聞論調 ]

駐比米国大使の発言

 リシャドニ駐比米国大使がフィリピンの汚職体質に言及したことについてアロヨ大統領は「別に新しい発言ではない」と述べた。そして、米国大使が「汚職が原因で外国人投資家がフィリピンから引き上げている」と発言した翌日、今度は財界人で作るマカティ・ビジネス・クラブが最新の会員アンケート結果を発表した。それによると、やはり、治安と汚職の問題が最重要関心事だった。

 確かに汚職問題は今に始まったわけではない。しかし、だからと言って、緊急性が無くなるわけではない。汚職により毎年数十億ペソの政府歳入が消えていると報告する研究も多い。汚職で事業コストがかさみ、不十分なインフラ基盤と法整備が相まって、外国資本家は容易に隣国へと投資先を変えるのだ。

 アロヨ大統領は十七日、汚職撲滅キャンペーンを強化すると誓った。歴代政権は同様に宣誓しているが、いずれも結果を出せなかった。だが、アロヨ政権に対する国民の期待はとりわけ高いと言える。なぜなら、彼女は、汚職に幻滅した国民が立ち上がったために大統領の座に就くことが出来たからだ。 

 前大統領とその息子が略奪罪で拘置生活を送っていることだけでは十分ではない。国民は今、警官によるゆすりから、政府高官によるわいろ受け取りまで、政府内の全汚職に対するアロヨ政権の取り締まりを望んでいるのである。

 この問題は多岐に渡っているため、大統領個人にだけ負担を負わせるわけにはいかない。国会議員から政府高官、裁判官から警官まで、すべての政府関係者、国民を巻き込んで、汚職に総力をもって挑まなければならない。誠実さと政治的信念があればこの闘いに勝利することも可能であろう。(18日・スター)

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