ビコール地域で20人死亡 台風被災、12万人が避難所に
台風クリスティンの影響による大雨と洪水被害でビコール地域だけで20人が死亡、4人が行方不明となっている
ルソン地方北部を縦断した台風クリスティン(台風20号)の影響による大雨でビコール地域で広範囲な洪水が発生し、同地域だけで少なくとも20人が死亡し、4人が行方不明になっている。国家警察ビコール地域本部が明らかにしたもので、同地域だけで2万3517世帯、11万9488人が避難所に身を寄せているという。
アンドレ・ディソン同地域本部長によると、各警察署からの報告を集計した死者20人のうち、7人が甚大な洪水被害を受けている南カマリネス州ナガ市で確認されたという。また、カタンドゥアネス州で5人、アルバイ州で4人、南・北カマリネスやマスバテ、ソルソゴン各州でそれぞれ1人ずつの死亡が報告されている。
また、マスバテ州で2人、南カマリネス州とアルバイ州でそれぞれ一人ずつが行方不明となっている。死者や行方不明者の人数については現在、各自治体の関係機関と情報確認に当たっているという。
さらに、各地で土砂崩れも発生しており、アルバイ州で10カ所、ソルソゴン州で4カ所、南カマリネス州で3か所、北カマリネス州でも2カ所の計19カ所に上っている。
同本部長によると、南カマリネス州の海岸沿いにあるブラ町では多くの家屋が洪水に漬かっており、モーターボートでしか近づくことができず、多くの住民がまだ屋根に取り残されているとし、救援部隊やモーターボートの増援が必要だとしている。
一方、ルソン地方中部のカラバルソン地域では洪水などの被災による死者は報告されていない。しかし、9097世帯3万932人が同地域に402カ所ある避難所に身を寄せているという。
また、首都圏のケソン市警察の24日発表によると、同市のバランガイ(最小行政区)プロジェクト6やバハイ・トロ、デルモンテやUPキャンパスなど多くのバランガイで洪水が発生し、計1033世帯3887人が避難所に身を寄せている。
さらにマリキナ市のテオドロ市長も24日午後、マリキナ川の水位が上昇していることから河川流域の低地に住む市民らに対して予防的避難命令を出した。また、25日の公立や私立学校の休校措置も命じた。(澤田公伸)