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7月27日のまにら新聞から

大統領2日連続で視察 広域豪雨災害の被災地

[ 1208字|2024.7.27|気象 災害 (nature) ]

広域豪雨災害の被災者は131万9467人、避難者は21万1396人。大統領は2日連続で被災地を訪問した

リサール州の避難所で救援物資を受け取った住民と話すマルコス大統領=26日、リサール州サンマテオ小学校(大統領府提供)

 国家災害対策本部(NDRRMC)は26日、台風3号(比名カリーナ)の影響で発生した豪雨災害の被災者が131万9467人、避難者は21万1396人に上っていると発表した。死者は34人に増加。同日マルコス大統領はボノアン公共事業道路相などを伴いケソン、リサール両州に飛び、2日連続となる被災地視察を実施した。

 22日の施政方針演説では、「これまでに5500件以上の洪水リスク制御プロジェクトが実施された」と述べ、治水事業が進んでいることを強調した大統領。その直後に広域水害が発生したことを受け、25日の視察では担当責任者に強い口調で説明を求める一幕もあった。

 26日、視察先のリサール州サンマテオ町で開かれた会議では、同州のイナレス知事がマリキナ川に建設されているワワダム下流に貯水池を建設する計画を昨年公共事業道路省に提出したと報告。ボノアン公共事業道路相は「ここサンマテオ町に貯水池が建設されるほか、上の方には小さなダムも作る予定。現在日本からの借款を検討中だ」と大統領に説明した。

 国際協力機構(JICA)フィリピン事務所はボノアン大臣の発言についてのまにら新聞の問い合わせに、「現在実施中の開発計画調査型技術協力『重要流域治水対策強化プロジェクト』の対象地域にパッシグ・マリキナ川流域が含まれており、当該技術協力の中で、気候変動影響を含む洪水リスク評価を踏まえたマスタープランの更新および優先事業に対するプレフィージビリティ調査の実施が予定されている」と回答。

 その上で、ワワダム下流の貯水池建設については「優先事業として選定される場合は、当該優先事業のプレフィージビリティ調査を実施することになるが、まだ優先事業が定まるタイミングではない」とし、現在は全体として適切な治水対策が検討されている段階であることを説明した。

 ▽納税を1カ月延長

 内国歳入庁は首都圏自治体を含む全国の被災地で電気・交通、インターネットが影響を受けたことを考慮し、第2四半期に関する納税や税務申告を7月31日まで延長すると発表。延期されるのは①VAT登録企業(非電子納税登録企業)の売上、仕入れ、輸入リスト②アルコール、たばこ、清涼飲料水の売上に関する製造・輸入業者の宣誓書③四半期VAT申告④四半期パーセント税申告――の四つ。

 期限延長の対象地域は各税務署の管轄区域レベルとなっており、首都圏ではマニラ、マカティ、バレンズエラ、マラボン、ナボタス、カロオカン、ケソン、マンダルーヨン、サンフアン、パシッグ、タギッグ、パサイ、パラニャーケ、ラスピニャス、モンテンルパ各市の一部または全域。中部ルソン地域ではスービック、クラークの経済特区のほか、オロンガポ、アンヘレス、タルラック、サンフェルナンド各市など。その他、バギオ市、南イロコス州ビガン市、北イロコス州ラワグ市なども対象となっている。(竹下友章)

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