死者21人、不明5人に 台風3号豪雨、土砂災害
台風3号に影響による豪雨被害でフィリピン全土で21人が死亡、5人が行方不明に
国家警察は25日、台風3号(比名カリーナ)と、熱帯低気圧「ブッチョイ」の影響で活発化した季節風による豪雨の死者が21人になったと発表した。行方不明者は5人、負傷者は15人が報告された。
同日午前の捜索・救助活動では6人の遺体を収容。アンヘレス市では母親と5歳の子が土砂崩れに巻きこまれて死亡した。そのほか、切れた電線などによる感電死も複数報告された。洪水・浸水は中部ルソン地域を中心に全国で962カ所報告された。
国家災害対策本部(NDRRMC)によると、土砂崩れは25日午前時点で13件報告。被災者は24万5298世帯111万5272人に上っている。
農産物・農業設備の被害総額は970万6852ペソ、インフラへの被害は79万3551ペソと推計されている。首都圏およびミマロパ、ダバオ、ソックサルジェンの3地域の計17市町が災害宣言を発出した。
▽連絡ミスで事態悪化
マルコス大統領は25日、バレンズエラ、ナボタス両市を訪問。現地視察を行ったほか、自ら救援物資の配布も行った。この日は352世帯1629人に物資が渡された。
マニラ市の大統領保安司令部で、大統領は「ダムを放水する前に下流域の各自治体に十分に連絡が行き届いていなかった。さらに、(ナボタス市の)タゴス・タンザ水門が故障していたことが事態を悪化させた」と述べ、早急な問題解決を命じた。
マニラ国際空港公社(MIAA)は25日、今回の豪雨で国際・国内線が合計143便欠航になったと発表した。
台風3号は25日午前6時20分に比の観測圏外に抜けた。(竹下友章)