88%が「何かできる」 気候変動に関する世論調査
気候変動に関するSWS調査で88%が「影響を個人的に経験、何かできる」と回答
世論調査機関ソーシャル・ウエザー・ステーション(SWS)は23日、昨年12月に実施した気候変動に関する調査で、回答者の93%が過去3年間に気候変動の影響を個人的に経験したと答えたことを明らかにした。また、気候変動に対して「何かできる」と答えた割合も88%と高かった。
SWS調査によると、比人の17%が「深刻な影響」、52%が「中程度の影響」を受け、24%は「ほとんど経験していない」、6%は「経験していない」とそれぞれ回答。程度に関わらず「経験している」と回答した人の割合は、2013年3月の同調査から8ポイント、17年3月から6ポイント上昇したという。
また、回答者のうち、気候変動について以前から知っていたのは81%で、調査時に説明を受けて知ったのは19%だった。
▽9割が実際に行動
「気候変動のリスクを減らすために自分にも何かできるか」という質問に対し、88%が「できる」と賛同の姿勢を示した。「どちらとも言えない」は10%、「反対」はわずか2%にとどまった。また、76%が「誰もが本気で取り組めば、人類は気候変動を止めたり遅らせたりできる」と考えており、23%が「気候変動は人間の手には負えない」と回答したという。
具体的には、95%が家庭での節電に取り組み、86%が食品廃棄物の削減を試み、91%がプラスチックゴミの削減や再利用、リサイクル、修理などに取り組んでいると回答した。
環境NGO、グリーンピース・フィリピンのゲレロ事務局長は同調査について「解決策を実行に移す比人の意欲が希望と言える」と前向きに評価。一方、「個人の生活を変えることも価値ある行動だが、気候変動の壊滅的な影響を回避するには各セクターが連携して、エネルギー、食糧、産業、都市、社会のシステムを変える必要がある。企業が生み出した地球を破壊するモデルを企業自らが変更し、その説明責任を果たすべき」と指摘した。
フィリピンは、台風、干ばつ、海面上昇など気候変動の影響によるリスクが最も高い国の1つとされ、貧困層や農村部のコミュニティーが災害の最前線に立たされている現状が指摘されてきた。
国連がサポートする「気候変動に関する政府間パネル」が23日までに発表した総合報告書では、地球温暖化の進行による異常気象の発生で、人間や生態系へのリスクがさらに高まると改めて警告された。
同調査は全国の18歳以上の成人1200人に対し、対面インタビュー方式で実施された。(深田莉映)