5人死亡、6人が不明 ルソン横断の台風16号被害
台風16号で救助活動中の特別救助隊5人が死亡、住民ら6人不明。7万5000人が避難
災害対策本部は26日、ルソン島を25日夕方から26日午前にかけ横断した非常に強い台風16号(比名カルディン)で、特殊救助隊員5人が死亡したと発表した。5人は26日午前4時に洪水で孤立した住民の救助活動のためブラカン州サンミゲル町ティグパラスに派遣されたが行方不明となっていた。更に「現在確認中」としながら、別に6人の行方不明者が報告されていると述べた。一方、内務自治省はルソン地域を中心に1万9368世帯7万4542人が避難したと発表。うち3万3043人は首都圏の避難者だった。
台風が上陸した25日はルソン地方を中心に計43の港湾が操業を休止。同日、国内便13便、国際線数便が運航を取り止めた。またルソン地方11市町で停電が発生、イロコス地域の一部では携帯電話の通信障害が報告された。
26日は首都圏、コルディリエラ行政区およびイロコス、カガヤンバレー、中部ルソン、カラバルソン、ミマロパ、ビコールの6地域で自治体業務が休業、全ての学校が休校となった。
マルコス大統領は26日、洪水被害が大きかったブラカン、ヌエバエシハ、タルラックの3州でヘリコプターによる上空視察を実施。「救助・復旧活動を邪魔したくない」として上陸はしなかったが、「最初に台風が上陸したケソン州ポリリョ島に救援物資を早急に送るよう手配している」と発表した。(竹下友章)