インフラ被害12億ペソ超え 広範囲で道路や建物損壊
北部ルソン地震のインフラ被害額は推約12億6000万ペソ。救援物資供給も難航
国家災害対策本部は3日、先月27日にルソン島北部を襲ったマグニチュード7の地震によるインフラ被害額が、推定12億6000万ペソになったと発表した。イロコス、カガヤンバレー、中部ルソンの3地域とコルディリエラ行政区、首都圏の広域にわたり1473カ所で道路や学校、公共施設などの損壊が確認されている。死者10人、行方不明者はゼロと変わっていないが、負傷者数は410人に増加した。
家屋被害は、一部損壊・半壊が2万8350件、全壊が438件。6万5858人が避難所生活をしており、81市町が学校を休校にしている。公立学校の授業は8月22日の開始が予定されているが、被災地では授業再開にも影響が出るとみられる。
農務省は、3日時点で被災地域の灌漑(かんがい)用水路の被害は2億4800万ペソと発表。灌漑システム以外の農業インフラ被害は、アブラ州だけで1456万ペソに上った。
一方、6830万ペソ相当の救援物資が集まっているが、52橋梁の損壊、13件の地すべり、150カ所の道路の損害が確認されており、被災地への供給作業は難航している。比赤十字と共同で救援物資の供給に当たっているアブラ州サルラパダン町では、川に職員を並べ、物資をリレーするなどして被災者に届けている。(竹下友章)