ルソン地方北部でM7 倒壊などで5人死亡、64人負傷
ルソン地方アブラ州でM7.0の地震。内務自治相によると5人死亡、64人負傷
ルソン地方イロコス地域アブラ州で27日8時43分、マグニチュード7・0の地震が発生した。アバロス内務自治相によると、死者は計5人(アブラ州1人、ベンゲット州2人、マウンテンプロビンス州1人、カガヤン州1人)報告された。また、被災地に急行したトゥルフォ社会福祉開発相は、アブラ州だけで負傷者64人を確認したことも報告。ケソン市など首都圏一部自治体でも震度3(日本の震度2~3相当)が観測された。
アバロス内務自治相はアブラ州を中心に58カ所で地すべりが発生したほか、コルディリエラ行政区で公道29本が損傷、アブラ州で3橋梁が損害を受け、アパヤオ、ベンゲット、カリンガ、マウテンプロビンスの4州とバギオ市で計173棟の建物が損壊したことを報告した。
比火山地震学研究所によると、震源地はアブラ州タユム町。揺れが最も強かったアブラ州ブロク、マナボ両町の震度は10段階で4番目に高い「破壊的な揺れ」である震度7(日本の震度6相当)を観測。バギオ市、南イロコス州、パンガシナン州の一部自治体では「非常に強い」震度6(日本の震度5強相当)を記録した。
▽大統領が視察へ
マルコス大統領は同日緊急会見を開き、早ければ28日にも被災地のアブラ州を視察することを発表。ただし「すぐに訪問することは、現場で救助活動を行う職員の妨げる可能性もある」とし、現地の受け入れ体制が整っていることが条件だとした。また、地震発生時には「マラカニアン宮殿で執務中だったが、宮殿のシャンデリアの揺れで地震に気づいた」と明かした。(竹下友章)