比は気候変動対策のリーダーに G20会合でジョクノ財務相が発言
財務相がG20財務相会合で比が気候変動対策で世界のリーダーになると宣言
ジョクノ財務相は16日、G20財務相・中央銀行総裁会議の気候変動に関する朝食会合に特別出席し、フィリピンではマルコス新政権が気候リスクの軽減に向けた国家的なアプローチを継続させると同時に、気候変動対策の分野で世界的なリーダーとして取り組むと約束した。
同財務相は同日に開かれた朝食会合で演説し、「フィリピンは気候変動による自然災害に最も高いリスクを抱えている国の一つだ」とした上で、「この危機に立ち向かう戦いでフィリピンは世界のリーダーになることを決意している」と述べた。
G20サミットは米国や日本、ドイツなどG7参加国に加え、中国やインド、ブラジルやロシアなど世界19カ国に加えて欧州連合の首脳が参加して毎年開催される国際会議で、今年はインドネシアが議長国となっている。フィリピンはG20のメンバー国ではないが、このサミットに先駆けてバリ島で15~16日に行われたG20財務相・中央銀行総裁会議の気象変動問題に関する会合にインドネシアが比財務相を特別に招待したことからジョクノ氏の演説が実現した。
ジョクノ氏は会合で、比財務省が使い捨てプラスチックの使用禁止もしくは課税措置を盛り込んだ法案の議会通過を支援しているほか、国内で炭素税の導入を検討していることを明らかにした。また、アジア開発銀行(ADB)と提携して石炭燃料による火力発電から再生可能エネルギーへの転換を加速させるため、同行の進めるエネルギー移行メカニズム(ETМ)に参加して脱石炭発電の実現に向けて努力することを約束したほか、比がやはりADBが進める気候変動アクションプログラム向けの政策支援型融資事業(サブプログラム1、CCAP1)に基づいた2億5000万ドル融資を締結した最初の国の一つであることも紹介した。
さらに同氏はフィリピン政府が今年3月に海外市場向けで比初となるESG(環境・社会・ガバナンス)グローバルボンド(ドル建て国債)として25年物国債を総額10億ドル分発行したことや、東南アジア諸国連合(ASEAN)で最初となる円建ての持続可能性国債も発行し、総額701億円(約6億ドル)分を調達したことも紹介した。(澤田公伸)