首都圏各地で断水始まる 干ばつでダム水位低下続く
ラメサダムの水位が69メートルを切り過去最低にせまる、マニラ水道会社は断水を発表
エルニーニョ現象に伴う干ばつと乾期の盛りが重なった影響で、首都圏ケソン市の貯水池ラメサダムの水位が警戒レベルより下がったため、首都圏各地で断水が始まっている。
11日午前6時時点の同ダムの水位は通常の80・15メートルより11・22メートル低い68・93メートルで、1998年のエルニーニョ時に観測された過去最低の68・75メートルに迫っている。
首都圏東部に水を供給するアヤラ財閥傘下のマニラ・ウォーター(MW)は断水地域を発表。11日付英字紙インクワイアラーによると、マンダルーヨン、マカティ、マリキナ、パシッグ、タギッグ、サンフアン各市の一部地域で断水に踏み切るとしている。
マンダルーヨン市フロに住む日本人男性(56)によると、同地区では「8日ごろから自宅の水が突然出なくなった」。同地区には給水用の消防車が常駐し、水を汲みに来る住民20〜30人がバケツなどを持って水待ちをしているという。
比に住んで約20年になるこの男性は「台風で4、5日停電になったことはあったが、水がこんなに長く止まることは初めて。トイレなどで非常に困っている」と話した。
首都圏では本格的な雨が久しく降っておらず、このまま乾燥が続くと、断水地域はさらに広がる恐れがある。
一方で、首都圏北方ブラカン州にあるアンガットダムの水位は、200・59(通常212)メートルとまだ安定しており、警戒レベルの180メートルまではまだ余裕がある。
首都圏西部のマニラ市などに水を供給するマイニラッドは、このアンガットダムとラグナ湖を水源としているため、断水の予定などは発表していない。(岡田薫)