台風ヨランダ(30号)
被災地復興担当のラクソン大統領顧問が包括的復興計画案をアキノ大統領に提出
台風ヨランダ(30号)被災地復興担当のラクソン大統領顧問は1日、包括的復興計画案をアキノ大統領に提出した。ラクソン顧問によると、予算規模は約1709億ペソ。計画書は8章で構成され、全部で8千ページに上る。比政府は同計画の早期策定を目指してきたが、昨年11月の被災から約9カ月でようやく計画案の提出にこぎ着けた。
今回提出された包括的復興計画は、エネルギー、公共事業道路、貿易産業、農務、労働雇用、社会福祉開発、環境天然資源、財務、予算管理、外務、内務自治各省と国家経済開発庁(NEDA)が作成した各分野の復興計画を、ラクソン顧問が中心となり、取りまとめられた。これら中央省庁に加えて、被災自治体や被災を免れた自治体とも連携し入念に計画を作成した。
予算の約8割に相当する1370億ペソは2014年予算案に盛られており、うち980億ペソは大統領も承認済み。残りは15、16両年の予算が充てられる。ラクソン顧問によると、国としての復興計画が正式に策定されることで、遅れが指摘されている復興事業の加速が期待できるという。
故コラソン・アキノ元大統領の5周忌ミサの会場で1日、アキノ大統領に計画案を手渡した同顧問は「大統領の任期が終わる2016年までに優先事業の8割を完工させたい」と述べ、計画の早期実施を目指す意向を示した。
ラクソン顧問によると、今回提出された案は(1)被災者の生活再建(2)住民移転(3)社会保障(4)インフラ再建--に重点を置いて計画された。ビサヤ地方セブ、サマール、レイテ、東サマール、イロイロ各州の被災171自治体のうち104自治体を対象としている。
予算執行の透明性を高めるために、専門ウェブサイトも今後立ち上げる予定で、計画が正式に承認され次第、詳細が明らかになる見通し。(鈴木貫太郎)