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3月3日のまにら新聞から

台風ヨランダ(30号)

[ 1006字|2014.3.3|気象 災害 (nature)|ビサヤ地方台風災害 ]

タクロバン市で漁業用小型船350隻の寄贈式。寄付した日本の関係団体も出席

台風ヨランダで被害を受けた漁師に寄贈されたボート=ワンテナーズトレーディング提供

 台風ヨランダ(30号)で漁船が壊れるなど大きな被害を受けた漁師らを支援するため、フィリピンの農務省と漁業水産資源局(BFAR)が製造した小型ボート350隻の贈呈式が2月27日、ビサヤ地方レイテ州タクロバン市の港で開かれた。贈呈式には、ボート製造費の一部として200万円(87万3千ペソ相当)を寄付した日本の遠洋漁業事業者団体も招待され、代表者1人が式典に出席した。

 今回贈呈されたボートは、2〜3人乗りのモーターボート200隻と手こぎボート150隻。それぞれ1隻約1万5千ペソ、同5500ペソで製造されたという。

 今回、寄付したのは一般社団法人・海外まき網漁業協会(本部・東京都中央区、中前明会長)。台風の報道を聞くと、すぐ協会員全34社で寄付を集めた。2011年3月に発生した東日本大震災の際、比の漁業関係者から寄付金が寄せられており、今回はその恩返しとして支援を決めたという。同協会だけでなく、比で操業している日系漁業関係業者も寄付を寄せた。

 式典に出席した、比で漁業資材等の輸出業を行っているワンテナーズトレーディング(本社・兵庫県)の伊藤隆行マニラ支店長(43)は「まだ復興半ばだが、被災地の人たちはみな明るかった。彼らの元気でたくましい様子をみると、きっと復興を果たしてくれるだろうと感じた」と話した。

 式典には、被災した漁師らと寄付者ら約700人が集まり、寄贈されたボートに寄付をした支援団体、企業がそれぞれの名が入ったステッカーを貼り付けた。

 また、アルカラ農務長官、ペレーズBFAR局長も式典に参加し、寄付者らに感謝の意を表明するとともに、被災した漁師らを激励した。

 ボートの支給による漁師の生計回復支援事業は、13年12月8日に農務省とBFARの主導で始まった。台風で被災した西部・中部・東部ビサヤ、ミマロパの4地域に計3万9千隻のボートを支給するという。被災地の漁師らに、事前に聞き取り調査を行い、流されたボートと同じ型のものを提供する。

 ペレーズ局長によると、28日現在ですでに1万500隻の提供を終えた。

 BFARのスーザン・アルバラデホ東部ビサヤ地域本部長によると、同地域での目標1万9千隻のうち、今回の贈呈式で贈られた350隻を含めて計8050隻がすでに提供を終えており、7105隻が製造中。残り3845隻は寄付を募っている段階だという。(加藤昌平)

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