台風ヨランダ(30号)
福島市在住の比人グループ「ハワク・カマイ・福島」が、台風の被災者を支援
福島市在住のフィリピン人グループ「ハワク・カマイ・福島」が、昨年11月ビサヤ地方を中心に甚大な被害を出した台風ヨランダ(30号)の被災者を支援している。すでに街頭募金で集めた寄付金を、復興を支援している非政府組織(NGO)に手渡したほか、高潮で家屋を流された人たちのために衣類などを寄贈した。
ハワク・カマイ・福島の設立者、後藤キャサリンさん(45)=ルソン地方バタンガス州出身=は「私たちも東日本大震災を経験したので、被災者の気持ちがわかる。少しでもつらさを和らげたかった」と活動に込めた思いを語った。
ハワク・カマイはタガログ語で「手をつなごう」という意味で、東日本大震災が発生した翌月の2011年4月に発足。後藤さんらメンバーは震災以降、月1回の割合で福島県各地にある仮設住宅を訪問し、炊き出しで料理を振る舞ったり、フィリピンの伝統の踊りを披露するなど、被災者に心からの支援をしてきた。
後藤さんらはニュースを通じて、甚大な被害を受けたフィリピンの様子を知り、台風ヨランダ襲来から約3週間後には支援に動いた。11月30日と12月1日、福島市内で寄付金を募った。ハワク・カマイのメンバーのほかに、福島県在住の外国人留学生も街頭募金に参加したという。2日間で約25万円が集まり、後藤さんが昨年12月10日、首都圏ケソン市を訪問し、NGOに手渡した。寄付金は同NGOを通じて被災者支援に役立てられたという。
募金のほかにも、段ボール箱10個分の衣服約1500枚や段ボール箱3個分のインスタントラーメンなども被災地に寄贈。福島県南相馬市出身で、自身も東日本大震災で被災したという日本人女性が協力してくれたという。
ハワク・カマイは福島市内の飲食店5カ所に「台風ヨランダ被災者支援」の募金箱を設置しており、今後も幅広く寄付を呼び掛けて継続的な支援実施を検討している。
日本在住26年目の後藤さんは「十分な資金が集まれば被災地を訪問して、炊き出しをしたい」と意欲を語った。寄付に関する問い合わせは後藤さん(電子メール kayedoria@yahoo.com)まで。(鈴木貫太郎)