台風ヨランダ(30号)
セブ日本人会会長、被害が甚大だったレイテ州の上空をセスナ機で飛んで空撮
猛烈な台風ヨランダ(30号)がビサヤ地方を横断してから一夜明けた9日午前、セブ日本人会の石田武司会長(69)は、被害が甚大だった同地方レイテ州オルモック市の上空を自家用セスナ機で視察し、携帯電話で空撮した。マニラ新聞の電話取材に対し「オルモック市郊外にある山岳地帯の村は家々がすべて吹き飛ばされ、きれいさっぱり何もない状態だった」と惨状を語った。
同会長がセブ・マクタン国際空港を出発したのは同日午前10時半ごろ。会長が操縦し、ほかに知人の日本人男性3人も同乗。被災地の通信網が遮断されて在住日本人と連絡が取れず、被災状況が把握できなかったために視察をすることになった。
最初に着陸したオルモック空港では、ターミナルの屋根がすべて吹き飛び、骨組みだけになっていた。同空港から西側に数キロ離れた工場でも屋根がすっかりなくなり、山岳地帯にある村は、家ごと吹き飛ばされた跡が残っていた。
石田会長は「セブの被害はそれほどでもなかったから、(レイテの)現場を見て被害のすさまじさに驚いた」と説明した。
在フィリピン日本大使館によると、レイテ州に在住の日本人は在留届出ベースで約100人。大使館担当者は「被災地で通信網が遮断されているため、現在も安否確認を続けている」と語った。(水谷竹秀)