Logo

31 日 マニラ

31°C22°C
両替レート
¥10,000=P3,730
$100=P5,820

31 日 マニラ

31°C22°C
両替レート
¥10,000=P3,730
$100=P5,820

24年成長率は5.6% 高水準維持も連続目標割れ

2025/1/31 経済

比の24年実質GDP成長率は5.6%。域内で高水準維持も2年連続で政府目標を下回る

フィリピン統計庁(PSA)は30日、2024年第4四半期の実質国内総生産(GDP)の成長率が5・23%だったと発表した。1四半期の成長率としてはマルコス政権中2番目に低い数値となった。24年通年の成長率は5・6%となり、前年比0・1ポイント増となったものの、2年連続で政府目標(24年は6%~6・5%)を下回った。ただし、東南アジア諸国連合(ASEAN)主要国の中では比の第4四半期成長率はマレーシア(4・8%)を上回り、ベトナム(7・5%)に次ぐ高水準。通年成長率でもベトナムに次ぐ水準となることが予想される。

 ▽農業部門の脆弱化

 産業3大分類別にみると、24年第4四半期の第一次産業(農林水産業)は1・8%のマイナス成長。中でも畜産業はマイナス5・9%と落ち込みが大きく、水産業もマイナス2・0%だった。24年通年だと農林水産業はマイナス1・6%成長。前年の1・2%のプラス成長から後退した。

 比経済開発庁(NEDA)は「昨年10月~11月に六つ連続して襲来した台風の影響を受けた。労働力の4分の1が所在する農林水産業には混乱が生じ脆弱(ぜいじゃく)性がさらに高まった」とした。

 第二次産業(製造業・建設業など)の第4四半期成長率は、24年最低となる4・4%(前年同期比1・3ポイント増)。第三次産業(サービス業)の24年第4四半期成長率は6・7%。第3四半期比0・4ポイント上昇も、前年同期比だと0・7ポイント減少した。

 NEDAは「製造業の第4四半期成長率は3・1%にとどまったが、これは地政学的緊張による世界需要の低迷が原因」とした。

 ▽消費鈍化止まらず

 需要面をみると、比経済を特徴づける消費(家計最終消費支出)は4・65%の成長率で、第3四半期比0・55ポイント、前年同期比で0・65ポイント減少。四半期別だと、4・6%に下がった24年第1四半期に次ぎ現政権下で2番めに低い水準。ホリデーシーズンにもかかわらず成長が伸び悩んだ。24年通年だと4・8%で、前年から0・8ポイント減少した。

 一方、24年第4四半期の政府最終消費支出は9・7%で、現政権で2番めに高い数値。24年通年では昨年比0・6ポイント増の7・2%の成長となった。公共投資や企業の設備投資が含まれる総資本形成は4・1%で、それぞれ第3四半期比9・6ポイント、前年同期比7・53ポイントの減少。そのうち、建物建設は全体で7・8%の成長を見せたが、住宅投資が12・8%、公共事業が4・9%、企業設備投資が5・7%の成長だった。24年通年では、前年比0・6ポイント増の7・2%だった。

 24年の輸出の成長率は前年比1・4ポイント増の3・4%。輸入も同1・0ポイント増の4・3%だった。

 海外からの純所得を加算した国民総所得(GNI)の24年第4四半期成長率は、現政権で最も低い6・2%(前年比5・1ポイント減)まで減速。通年だと前年比2・9ポイント減の7・6%だった。短期海外就労の対価や対外投資収益を含む第一次所得収支(純受け取り)の24年第4四半期成長率は現政権最低の14・1%まで下がった。通年だと26・1%。前年比69・85ポイント減少した。

 24年の名目GDPは前年比10・7ポイント%増の26兆4367億8100万ペソだった。

 NEDAは「より高い数値を目指すことを超えて、様々な要因の悪影響を軽減し、回復するための強靭(きょうじん)性を築くことを重視する」とした。 (竹下友章)

おすすめ記事

24年成長率は5.6% 高水準維持も連続目標割れ

2025/1/31 経済 無料
無料

東南ア株式軒並み下落 PSEiの終値は6107.66

2025/1/31 経済 有料
有料

インド株式横ばい

2025/1/31 経済 有料
有料

シドニー株式続伸

2025/1/31 経済 有料
有料

ソウル、台湾株式は休場

2025/1/31 経済 有料
有料

インドネシア・ルピア0.5%安 米FOMC受け

2025/1/31 経済 有料
有料