10%増の6・35兆ペソ 25年予算案7月29日に提出へ
予算管理相が最新の25年度政府予算案を提示した。6兆3520億ペソと24年比10.1%増加
閣僚級の開発予算調整委員会が27日、大統領府で行われ、パンガンダマン予算管理相が2025年政府予算案の最新版を提示した。予算総額は6兆3520億ペソで24年予算の5兆7680億ペソを10・1%上回る過去最高規模となっている。28日付英字紙スターが報じた。
25年政府予算案は4月に同省が提示した6億2000億ペソからも2・45%増加しており、25年の国内総生産の22%に相当する規模になると試算されている。
予算管理相によると、4月提示額からさらに増大したのは地方自治体向けの交付税総額が1兆300億ペソと23年比で18・7%まで増加したことが要因。国からの来年の地方交付税は22年の税収に基づいて計算されるため、コロナ禍による2年間のスランプから脱した比政府の税収増が交付税の拡大に反映した形となる。
また、来年度の予算案には公立学校で働く教員向けの特別手当が一人1万ペソまで引き上げられることや、社会福祉開発省が管轄する条件付き現金給付事業の対象者に妊婦を含むなど事業対象が拡大することから社会福祉関係予算の増額も必要だとしている。
パンガンダマン大臣は、「25年政府予算案がマルコス政権のこれまでの2年間の政権運営で得られたものの上に成り立っている」とし、特にフィリピン開発計画に基づき、個人や家族の能力を保護すると同時に、製造業においてより質の高い雇用を創出できるようにし、製品の競争力も高められるように予算配分すると強調している。
25年政府予算案は、マルコス大統領による7月22日の施政方針演説から1週間後の7月29日に下院議会に提出される見込み。比憲法では大統領による施政方針演説から30日以内に次年の政府予算案を提出することが義務付けられており、今年は早めの提出が見込まれている。
一方、マルコス政権の経済閣僚らは最近、国内のインフレ動向について、5月のインフレ率が過去6カ月間で最大の3・9%を記録し、1~5月期の平均インフレ率が3・5%になったことから、今年の年間平均インフレ率予測を従来の2~4%から3~4%に引き上げている。(澤田公伸)