経済回廊参加を呼びかけ 東京でレクト財務相ら
東京で比経済ブリーフィングが開かれ、レクト財務相が法改正によりVAT還付問題などが解決されると強調
レクト財務相は21日、東京で行われたフィリピン経済ブリーフィング(PEB)で基調講演を行った。現在比議会で審議中の企業復興税優遇措置法の改正法案が成立すれば、付加価値税(VAT)還付問題など日本企業の懸念を払しょくして新たな優遇措置付与体制を用意できると強調したほか、インド大平洋地域での新経済拠点としてルソン島中部への投資促進と経済発展を目指す米日比3カ国政府が中心となって呼び掛けているルソン経済回廊の構築に日本企業も参画するよう呼びかけた。
ブリーフィングにはパガンダマン予算管理相やバリサカン国家経済開発長官、パスクワル貿易産業相やバウティスタ運輸相などマルコス政権の主要な経済閣僚や次官らが勢ぞろいし、日本人投資家や大手企業、政府関係者ら日本側の出席者約500人に対して比経済の動向や有望な投資案件などを紹介した。
また、サンミゲルのラモン・アン社長兼CEO、ダブルドラゴンのエドガー・シア会長、アヤラコーポレーションのセサール・コンシン社長兼CEO、矢崎トーレスのフェルカスター・トーレス社長、SMインベストメンツのフランクリン・ゴメス上級副社長ら比経済界の重鎮や新進経営者らも参加した。
レクト財務相は基調講演で、現在上院で審議中のCREATE MORE法案が施行されれば「企業に付与している税優遇措置がさらに拡張され、懸案となってきたVAT還付制度もより効率的で時間通りで予測可能なシステムに変る」と優遇措置がより改善されると約束した。また、同法の施行で米日比3カ国首脳会議で打ち出されたルソン経済回廊という投資促進プログラムを同地域以外の比国内あらゆる地域に拡大させることも可能だと強調した。
また、日本企業に対してルソン経済回廊地域への投資分野として、最先端技術を導入した製造業や半導体サプライチェーン、そしてアグリビジネスを紹介したほか、比政府が特に投資手続きの合理化を進めている分野である、クリーンエネルギーや重要鉱物、小売りやデジタル技術などの優先度の高い産業分野への投資も呼びかけた。
レクト氏は、両国の相互への敬意と経済繁栄の達成に向けて調和と安全保障が重要との共通認識を持っていることから、フィリピンが日本を「地域のベストフレンド」と考えていると強調した。(澤田公伸)