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6月16日のまにら新聞から

鉄道マスタープラン策定へ JICAと運輸省が年内に

[ 772字|2024.6.16|経済 (economy) ]

運輸省と日本の国際協力機構が策定を進めているフィリピン30カ年鉄道マスタープランが今年末までに完成する見通し

 バウティスタ運輸相はこのほど、同省と日本の国際協力機構(JICA)が策定を進めている「30カ年鉄道マスタープラン」が年内に完成する見通しだと明らかにした。

 運輸省とJICA、アジア開発銀行は2023年8月、首都圏と中部ルソン、カラバルソン各地域を結ぶ大量輸送事業である鉄道インフラを包括的に整備するマスタープランを策定することで合意した。2055年までにこれらルソン地方中央部における鉄道網を急ピッチに整備することで、東京や上海、ソウルに匹敵する都市鉄道交通網を構築することが狙いとして挙げられている。

 また、バウティスタ大臣は最近、マルコス政権としてフィリピン国鉄長距離北方延伸事業(総延長853キロメートル)とパナイ鉄道(同100キロメートル)、北ミンダナオ鉄道(同54キロメートル)とサンマテオ鉄道(同17キロメートル)の4鉄道事業を推進する意向を示していた。特に比国鉄長距離北方延伸事業は、首都圏から中部ルソン地域を経由して、イロコス地域からさらにカガヤンバレー地域までを結ぶ野心的な広域鉄道網建設事業となる見込み。

 一方、JICAによると、首都圏と中部ルソン、およびカラバルソン両地域を合わせた人口は2007年時点の2910万人から23年7月には4410万人に増加したと推定されており、主要交通網としての鉄道整備が急務だとしている。

 JICAは現在、首都圏地下鉄事業、南北通勤線建設事業、首都圏鉄道(MRT)3号線再整備事業、軽量高架鉄道(LRT)1号および2号線の能力向上事業といった比政府の主要鉄道インフラ事業に資金面や技術面で協力している。30カ年鉄道マスタープランの策定とそれを実施するフェーズにも協力することでルソン地方の鉄道インフラ網整備に日本政府が果たす役割はさらに大きなものとなりそうだ。(澤田公伸)

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