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6月14日のまにら新聞から

比が東南ア最高維持 世銀6月経済見通し

[ 992字|2024.6.14|経済 (economy) ]

世銀が最新の世界経済見通し発表。フィリピンは5.8%でカンボジアと並びASEAN最高に

世銀・東南アジアの6月経済成長予想

 世界銀行は11日(米時間)、6月の世界経済見通しを発表した。フィリピンの経済見通しは4月予想値より0・4ポイント下方修正されたが、東南アジア諸国連合(ASEAN)新興国中でカンボジアと並んで最高の5・8%となった。

 比、カンボジアに次いで高いのはベトナムで5・5%。4月予想より0・3ポイント下方修正された。それに、インドネシア(5・0%)、マレーシア(4・3%)、ラオス(4・0%)、東ティモール(3・4%)、タイ(2・4%)、ミャンマー(1・0%)が続いた。

 世銀は「中国の成長減速が地域の成長に影響を与える」と分析。その影響で、東アジア・太平洋地域全体の成長率は、24年4・8%、25年は4・2%、26年は4・1%と緩やかになっていくと予想した。

 成長の減速が予想されるものの、東アジア・太平洋地域の予想成長率は、6%以上の成長が予想される南アジア地域に次ぐ高さ。高成長地域であり続けることが予測された。その中でも比は、25年5・9%、26年5・9%と、成長スピードを安定的に維持することが展望された。

 今年の比の成長について、国際通貨基金(IMF)の専門チームは4日から10日に比で会合を開いた際に、4月の予想より0・2ポイント下方修正した6・0%という最新予想値を発表している。

 一方、アジア開発銀行(ADB)の4月予想でASEAN最高となる6・0%、、ASEANプラス3マクロ経済調査事務局(AMRO)の4月予想ではASEANプラス3で最高となる6・3%になると予想。比政府の目標(6~7%)の下限周辺に予想が集中している。

 ▽地政学的リスク影響

 世銀は東アジア・太平洋地域経済のリスクとして、南シナ海における緊張激化や中国による経済的威圧、米中貿易戦争よる世界貿易への悪影響を念頭に、「世界での地政学的緊張の高まりと武力紛争の拡大」「貿易政策の分断」を挙げた。さらに、「気候変動による自然災害の激甚化」も挙げた。

 一方で、「米国の成長が予想以上に高ければ、地域の経済活動に好影響をもたらす」と指摘。世銀は米国の成長を、24年は2・5%、25年1・8%、26年1・8%としている。なお、欧州(先進国)は24年0・7%、25年1・4%、26年1・3%。日本は24年0・7%、25年1・0%、26年0・9%と低成長が目立った。(竹下友章)

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