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5月11日のまにら新聞から

上院版の税優遇改正法案提出 VAT還付裁量権を財務省に移管

[ 721字|2024.5.11|経済 (economy) ]

ガチャリアン上院議員が独自の「CREATE MORE」法案提出。VAT還付裁量権をBIRから財務省に移管することなどを盛り込む

 ガチャリアン上院歳入委員長は9日、企業復興税優遇措置法の改正法案(CREATE MORE法案)を独自に作成して提出したと発表した。日系企業を含むエコゾーン入居企業からの苦情が集中している付加価値税(VAT)還付について、裁量権をこれまでの内国歳入庁(BIR)から財務省直属の別部署に移管することを盛り込んでおり、下院を通過した同法改正法案からさらに一歩踏み込む内容となっている。

 ガチャリアン委員長は「税優遇措置の運用に関する規則や政策を明確にすることで、フィリピンの投資環境をより安定させ、新たな投資家を誘致できる」と意義を強調している。

 企業復興税優遇措置法(CREATE法)は2021年2月に発効したが、規則細目の内容が曖昧で問題を引き起こした。特に、比経済区庁などに登録した企業の国内調達に付与されていた付加価値税免除について、登録事業内容に「直接的かつ限定的に」使用する場合に限るなどの文言があったため、多くの入居企業の国内調達品にVATが課されるのではとの憶測で混乱が広がった。

 また、ITやBPO企業の求めている、優遇措置を維持したままでの自宅勤務についても財務省がなかなか認めなかったほか、VAT還付申請を拒否されるケースも多く、投資誘致に暗い影を落としていると同議員は分析している。

 これらの問題を解決するため、①VATが還付される国内調達の定義について、「直接的かつ限定的に」を「直接的に」と修正②登録IT―BPO企業による全従業員の50%を超えない範囲での自宅勤務態勢を許可③VAT還付手続きの裁量権を内国歳入庁から財務省傘下の歳入執行課に移管する(最終決定者は財務相)――が盛り込まれた。(澤田公伸)

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