デジタル経済成長率7.7% 23年対GDP比率は8.4%に縮小
統計庁が発表した23年のデジタル経済に関する経済指標によると。23年の粗付加価値の前年比伸び率は7.7%に縮小
フィリピン統計庁は25日、2023年のデジタル経済の粗付加価値や伸び率などの指標に関する報告書を発表した。粗付加価値は2兆500億ペソで前年比7.7%増加したが、22年の9.4%から縮小した。
同庁では、国内のデジタル経済について、デジタルインフラと電子商取引、デジタルコンテンツと政府デジタルサービスの4分野から構成されると定義している。粗付加価値の前年比伸び率は21年の10.7%から2年連続で下落している。
また、デジタル経済の粗付加価値が国内総生産(GDP)に占める割合も23年は8.4%と22年の8.6%から0.2ポイント下落しており、昨年のデジタル経済分野の勢いが一段落したことが明確となっている。
昨年のデジタル経済の粗付加価値を構成分野別にみると、デジタルインフラが1兆6970億ペソと全体の82%を占めて最大だった。このデジタルインフラの中でも通信サービス部門が6732億ペソの粗付加価値とデジタル経済全体の32.8%を占めて一番大きく、次いで専門家・ビジネスサービス部門が6170億ペソと同30.1%を占めて2番目に大きな稼ぎ頭となっている。その次にコンピュータや電子・光学製品が3492億ペソで同17%を占めた。
構成分野別でデジタルインフラについで粗付加価値が大きかったのは電子商取引で昨年は2866億ペソの価値を生み出し、デジタル経済全体の約14%を占めた。また、デジタルメディアを含むデジタルコンテンツの粗付加価値は602億ペソで同2.9%を占め、政府デジタルサービスは41億ペソと同0.2%を占めるだけだった。
一方、昨年のデジタル経済分野における被雇用者数は968万人で前年比1.6%増にとどまった。22年には同8.5%増、21年には同32.9%増に拡大していたことから、昨年のデジタル経済における雇用創出でも伸びが鈍っている。
デジタル経済における被雇用者の内訳は、電子商取引部門が全体の87.3%を占めて最大で、次いでデジタルインフラ(同11.5%)、デジタルコンテンツ(同1.1%)、政府デジタルサービス(同0.1%)となっている。(澤田公伸)