「5カ年で1000億ドル投資」 半導体、エネルギーなどで日米から
マルコス大統領は向こう5~10年で日米が比に合計1000億ドル(約15.3兆円)の投資を行う見通しであることを発表
マルコス大統領は米時間13日、向こう5~10年で日米が比に合計1000億ドル(約15.3兆円)の投資を行う見通しであることを発表した。「ただのアイデアではなく、日米との合意に含まれており、具体化することに大きな自信を持っている」と述べた。
大統領は「日米は複数の投資案件を約束しており、わわれは(初の3カ国首脳会談で)共に投資すべき部門を特定した」と報告。「早ければ年内にも投資が始まるだろう」と述べた。
投資計画はホセマニュエル・ロムアルデス駐米フィリピン大使が10日(米国時間)にも触れていた。それによると、米国からの半導体投資が多くを占め、また経済安全保障に直結するエネルギー分野でも投資を加速させる内容だという。
11日の比日米首脳会談に伴い発表された共同声明では、スービック湾~クラーク~マニラ~バタンガスを連結するルソン経済回廊への日米協力投資を発表。そのほか、オープン無線アクセス・ネットワーク(RAN)の実証実験およびマニラ拠点の「アジアオープンRANアカデミー」建設へ800万ドル以上の資金提供や、民生用原子力、クリーンエネルギー分野などでの協力が明記されている。
2023年の対米輸出で半導体・集積回路の輸出額は最大品目の31億ドルとなっている。3月に来比した初の米大統領投資使節団は、少なくとも10億ドルの対比投資を行うと発表している。
5月21日には、第6回インド太平洋ビジネスフォーラムが比で開催予定。インフラ、サプライチェーン(共有網)、重要鉱物、クリーンエネルギー、デジタル経済などの分野で約500人のビジネスリーダーが意見を交換する。ロムアルデス駐米大使は同フォーラムが「比への投資流入の起点となると確信している」と述べている。(竹下友章)