「約半分が大統領の成果」 23年のPEZA投資承認額
2023年のPEZA承認投資総額1757億ペソのうち、約43%がマルコス大統領が外遊を通じて持ち帰った投資約束
フィリピン経済区庁(PEZA)のパンガ長官は16日、昨年同庁が承認した投資プロジェクト総額1757億ペソのうち、約43%を占める750億ペソがマルコス大統領が外遊時に取り付けた投資約束だったことを明らかにした。昨年のPEZAが承認した投資総額は、2022年の1407億ペソより25%増加。ドゥテルテ前政権と異なり積極的に外交日程をこなす大統領の姿勢は、「観光したいだけ」との前大統領からの批判を裏目に、外資誘致で一定の成果を上げていることが数値に表れた。
PEZA理事会は今月15日にも新規投資プロジェクトを承認。3月は計28億4500万ペソの新規投資プロジェクトが承認された。23億4300万ペソだった前年同月より21.8%増加。1月からの累計投資承認額は149億5100万ペソで、前年同期比19.25%増加した。
パンガ長官は「PEZAの輸出や雇用の指標は上向き。2022年以来、比は東南アジア諸国連合(ASEAN)で最高水準の経済成長を記録している」とし、特にマルコス政権で新型コロナ防疫規制が撤廃されてからの投資の回復が目覚ましいと説明した。
▽ドイツからは40億ドル
ドイツ、チェコ歴訪から16日に帰国したマルコス大統領は、ビリヤモール空軍基地(首都圏パサイ市)で開いた帰国後会見で、今回の外遊でドイツから40億ドル(約2200億ペソ)の投資約束を持ち帰ったと改めて報告。
具体的な投資約束の一つとしして、航空機メンテナンス世界大手の独ルフトハンザテクニックによるクラーク国際空港への飛行機格納庫建設などの1億5000万ドル(約80億ペソ)の投資計画を挙げた。さらに電機大手・独シーメンス社からは、比人医療機器技師育成への支援の約束があったことを明らかにした。
また、ドイツ・チェコ両国から比・欧州連合(EU)間の自由貿易協定の交渉再開に関する支持を取り付けたことを発表した。(竹下友章)