10億ドル規模の投資表明 初の米国貿易投資使節団
米企業を率いて比を訪問したレマンド米商務長官「今回の訪問企業だけで10億ドルの投資を予定」
グーグルやマイクロソフト、マスターカードなど米を代表する22企業の代表者を率いて比に訪問したジーナ・レマンド米商務長官は11日夜、今回訪問した企業がデジタル化、太陽光発電などの分野に合計10億ドル(560億ペソ)以上の投資を行う予定であることを明らかにした。官民で構成される米国貿易投資使節団の比訪問は今回が初めて。同長官は、こうした投資が「デジタル技能習得、AI(人工知能)訓練などの形で3000万人以上の比人に教育機会を提供する」と説明。中でもマイクロソフトは教育省と提携し、AIを活用した読解力教育ツールを児童・生徒に提供する計画だ。
レマンド長官はまた、電気自動車教育センターや原子力事業、セブの観光地へつなぐ航空便の開設なども投資案に含まれていることを明らかにした。
パスクアル貿易産業相は比の半導体労働力育成に対する米国の支援を迅速に実施するよう呼び掛けた。レマンド長官は「半導体産業はサイバーセキュリティー産業でもある」と重要性を強調した。米国は先月、中国への対抗を念頭に米国の半導体産業育成を図るCHIPS法の下、比をパートナー国の一つに選び、比への支援をすると発表。マルコス大統領は使節団と面会した際、「米国の支援により、2028年までに比は12万8000人の半導体エンジニア・技術者を輩出できる」との見通しを示している。(竹下友章)