過去最大5.7兆予算を承認 健全な財政管理を呼び掛ける
マルコス大統領は過去最大となる合計5兆7680億ペソの2024年予算に署名し、健全な「財政管理」の実施を呼びかけた
マルコス大統領は20日、過去最大となる合計5兆7680億ペソの2024年予算案に署名し、健全な「財政管理」の実施を呼びかけた。今年の5兆2680億ペソと比べて9.5%増加となる。
大統領は「無謀な借り入れ」を避けることが適切な支出慣行であると指摘。「良い財政管理とは借金を肥大化させる誘惑に駆られないよう規律を守ること」と述べた。また政府機関や職員に対して公的資金を適切に使用し、過少支出や支出過多をしないよう注意喚起した。「事業実施の遅延や違法な逸脱は国民が受けるべき進歩と発展を否定するのと同じ災いをもたらす」と説明した。
大統領によると、同予算は貧困や非識字との戦い、食糧生産や飢餓撲滅、国境警備、国民の健康維持、雇用創出、生活資金調達など、政府の「バトル・プラン」として機能するという。「予算が単に政府機関の諸経費を賄うものというのは誤り。国家として克服すべき課題を解消するための資金だ」と強調した。
使途が疑問視されていたサラ副大統領=教育相兼務=が管轄する副大統領府と教育省の機密費予算は、沿岸警備隊や国軍などの西フィリピン海における国防費へと割り当てられた。サラ副大統領は署名式典に参列しなかった。(沼田康平)