「さらなる投資機会を議論」 日商代表が大統領と会談
日商代表団が比を訪問し、大統領と会談。比投資の見通しなどで意見交換
日本の経済3団体の一つである日本商工会議所のミッション(海外訪問団)が23日、大統領府を訪問、マルコス大統領と会談した。同所のミッションはコロナ禍以来中止しており、4年ぶりにミッションを再開するにあたり最初の訪問先として比を選んだ。また、比へのミッション派遣は2015年2月以来で約8年ぶり。ミッションを迎えた大統領府の一室には、ベルサミン官房長官、パスクアル貿易産業相、ロティリャ・エネルギー相、バウティスタ運輸相、ガラフィル報道長官、など閣僚・政府高官が集結した。
マルコス大統領は会談冒頭、今年2月の日本公式訪問を振り返り、「訪日の際に始まったことを前進させるためにこの機会が利用されてほしい。どうやったら2国間経済関係をさらに前に進められるか、どのような分野に関心を持っているかが知りたい」と述べ、日本企業の考えに関心を示した。
日本商工会議所、東京商工会議所の小林健会頭=三菱商事相談役=は「比の重要性を鑑み最初の訪問国に選んだ。訪問団には比で事業を展開する企業代表をはじめ70人あまりが参加した。これにはコロナ禍を乗り越え安定的に景気拡大する比への関心の高さが表れている」と比重視の姿勢を強調。「現政権の八つの社会経済アジェンダでは、社会保障、人的資本開発、投資促進、デジタル化、グリーン経済などがうたわれた。この分野での比日協力がおのずと進むだろう」と見通しを示した。
非公開の会談は予定時間をオーバーして実施。日本側からの事業計画の内容について意見交換が交わされたとみられる。比政府発表では、2月の公式訪問時に表明された経済協力・投資約束は官民計130億ドルに上る。
東京ガスの広瀬道明相談役、上野トランステック株式会社上野孝代表取締役会長CEO、株式会社千疋屋総本店大島博代表取締役社長、住友商事の中村邦晴取締役会長、神戸製鉄所の川崎博也特任顧問などのほか、アヤラグループのハイメアウグスト・アヤラ会長も出席した。(竹下友章)