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10月6日のまにら新聞から

コメ価格14%上昇 9月インフレ率 上昇が加速

[ 811字|2023.10.6|経済 (economy) ]

9月のインフレ率が6.1%と前月8月の5.3%からさらに上昇。コメ価格は14.1%上昇

 フィリピン統計庁は5日、9月の消費者物価指数の対前年同月比上昇率(インフレ率)を発表し、6・1%と前月8月の5・3%からさらに上昇したことを明らかにした。

 2~7月まで6カ月連続で下落していた全国のインフレ率は8月に7カ月ぶりに上昇に転じ、9月にはさらに加速した。昨年9月は6・9%だった。

インフレ率を押し上げた主な要因は「食品・非アルコール飲料」価格で、中でもコメが14・1%上昇したことが大きく響いた。9月のコメ価格の上昇率は2009年3月以来、14年半ぶりとなる高水準だった。マルコス大統領はコメ価格の急騰を受けて、9月5日にコメの小売価格に上限を設ける大統領令を出したが、今月4日に解除した。

 これで23年1~9月期の平均インフレ率は6・6%となり、引き続き政府目標の2~4%を超えている。

 中央銀行は今年のインフレ率を4・8~5・6%と予想しているが、見直しを迫られそうだ。

 9月の物価上昇の要因となった品目について、比統計庁は「食品・非アルコール飲料」が9・7%と前月8月の8・1%からさらに上昇したことに加え、「交通費」が1・2%と前月の同0・2%から上昇したことを挙げている。また、「教育費」も3・6%と前月の2・9%から上昇している。

 また、首都圏だけに絞ったインフレ率は9月にやはり6・1%となり、前月8月の5・9%から上昇した。前年同月は6・5%だった。

 首都圏におけるインフレ率が上昇した要因としては、交通費が2・6%と前月の1・4%から上昇したことに加え、住宅費・光熱費・燃料などが5・6%と前月の5・3%から上昇したことが挙げられる。

 一方、食品や燃料・光熱費などを除いた全国のコアインフレ率は9月に5・9%と前月8月の6・1%からさらに縮小している。これで1~9月期のコアインフレ率は7・2%となった。昨年9月のコアインフレ率は5・0%だった。(澤田公伸)

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