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7月22日のまにら新聞から

日本品質を比市場に 三越BGCグランドオープン

[ 1600字|2023.7.22|経済 (economy) ]

三越BGCがグランドオープン。式典には越川大使やサラ副大統領らが出席しテープカット

三越BGCグランドオープンのテープカット式。左からラニー・カエタノ市長、アラン・カエタノ上院議員、アルフレッド・ティ会長、サラ副大統領、越川大使、細谷三越伊勢丹ホールディングス取締役代表執行役社長CEO、沓掛野村不動産ホールディングス取締役会長=21日、首都圏タギッグ市三越BGCで渡辺誠撮影

 首都圏タギッグ市ボニファシオグローバルシティ(BGC)で21日、東南アジア初の三越店舗である「MITSUKOSHI BGC」がグランドオープンした。約100テナントが開業し、開業率は約80%。特に「デパ地下」をコンセプトに食料雑貨店やフードコートがある地下1階はほぼ全テナントが営業を開始した。

 スーパー「MITSUKOSHI FRESH」ではドライグローサリー約1200品目を取りそろえ、生鮮食品も日本企業がバギオで栽培した野菜、宮崎産和牛など高品質商品を販売する。

 ほかにも、花見を意識したイートインなど外観にもこだわり、カクテル作りイベントや子ども向けのパン作りイベントなど顧客経験価値を重視する。

 また、資生堂のフィリピン旗艦店、若い女性向けアパレルショップ「SNIDEL」、京都発コーヒーブランド「%アラビカ京都」など日本品質を代表するテナントがオープン。仮オープンした眼鏡のパリミキは眼科院が併設される予定だ。

 「MATSURI」(祭り)と題されたオープン式には、サラ・ドゥテルテ副大統領、越川和彦駐比日本国大使、タギッグ市のラニ・カエタノ市長、アラン・カエタノ上院議員も出席。日本の高級百貨店の比市場での本格オープンを祝した。

 三越BGCはコンドミニアム「ザ・シーズンズレジデンス」の地下1~地上3階部分。同複合施設は、三越伊勢丹ホールディングス、野村不動産株式会社、比不動産大手フェデラルランド社の合同事業体が開発。三越伊勢丹ホールディングスから細谷敏幸取締役代表執行役社長CEO、野村不動産ホールディングスからは沓掛英二取締役会長、フェデラルランド社からはアルフレッド・ティ会長らトップが勢ぞろいした。

 サラ副大統領は「日本はお気に入りの国。友人から海外旅行に誘われたときは、日本が行き先のときだけ付いていく。友人には日本旅行を待つあいだ、三越BGCに行くよう伝えようと思う」と等身大の「日本愛」を披瀝(ひれき)。越川大使に対しては、「無査証渡航の許可を出してくれたこと」への感謝を直接伝えた。サラ副大統領は昨年、故安倍元総理の国葬に参列するため訪日している。

 また「日本は比のインフラ開発に関して最大の協力国。この場を借りてドゥテルテ前政権での協力に感謝したい」とし「マルコス政権でもこうした投資により『強い祖国という目標』に大きく近づけると確信している」と日本からの投資に感謝と期待を表明した。

 越川大使は「東南アジア初の三越であり、日本企業の比への投資拡大の象徴。日本企業が比経済を高く評価していることが示された」と強調。その上で、フェデラルランド社と野村不動産が作った合同事業体「フェデラルランドNREグローバル」による比での不動産開発にも期待を寄せた。

 三越伊勢丹ホールディングスの細谷取締役代表執行役社長CEOは記者団に対し、昨年11月にソフトオープンしてから8カ月の手応えについて、「集客は予想より少し少ないにもかかわらず、売上は予想以上だった」と客単価が想定以上だったことを明らかにし、「これからの可能性を感じている」と前向きな感触を語った。

 三越全館を「ジャパンモール」としなかった理由については、「『日本』を押し付けるのではなく、比の文化といかに融合させるかが肝要だ」と指摘。「比日の商品・サービスを融合させ現地で価値を生み出すことを重視している」と経営戦略を説明した。

 野村不動産ホールディングス沓掛取締役会長は、コンドミニアムの売れ行きの状況について「春・夏・秋・冬と4棟あるコンドミニアムの販売は順調。第4四半期からは第1棟である春棟への入居が始まる。全1400室以上の住居とそこに住む家族が三越を利用し、さらに外からも客が集まることで、これから相乗効果が生まれるだろう」と前向きな見通しを示した。(竹下友章)

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