「計8000億ペソの投資契約」締結 初外遊の成果強調
マルコス大統領「インドネシア、シンガポール両国で8047億8000万ペソの投資を取り付けた」
マルコス大統領は7日夜、自身初の外遊となったインドネシア、シンガポール両国への公式訪問から帰国し、ニノイ・アキノ国際空港で会見を開いた。その中で大統領は、両国企業と比への投資に関する10件の取引合意文書(LOA)、12件の覚書(MOU)を取り交わし、その総額が「8047億8000万ペソに上った」と発表。「トップセールス」の成果を強調した。
投資の中心分野は、再生可能エネルギー、データセンター、Eコマース、高速大容量通信(ブロードバンド)、ベンチャー支援、住宅、農業の7分野。大統領は「今回の公式訪問で始まった計画を完遂し、雇用の創出、所得の拡大に結びつけるよう政府はあらゆる努力を行う」と宣言した。
▽メイド派遣要件緩和
時事通信によると、公式訪問に同行していたオプレ移民労働者相は6日、比人家庭内労働者(メイド)を採用するシンガポールの人材紹介会社や雇用主に課している要件を一部緩和すると発表した。人材紹介会社・雇用主に課している銀行保証や、比人就労者への公正な取り扱いを比大使館に約束する「パフォーマンスボンド」(契約履行保証状)の提出要件が撤廃される。
比政府訪問団はまた、比国軍部隊をシンガポールにある域内テロ対策情報施設(CTIF)に派遣することで合意したほか、デジタル分野・個人情報保護での協力、技術移転を通じたクラーク経済特区内のニュークラークシティ共同開発などに関しても比・シンガポール省庁間合意を交わしている。(竹下友章)