クローニー経済支配で比は世界4位 エコノミスト紙の2021年番付
英エコノミスト紙による政権取り巻き政商による経済支配の度合いで比が世界22カ国で4位と高い水準
英エコノミスト紙はこのほど、世界22カ国におけるそれぞれの政権の取り巻き政商(クローニー)による経済支配の度合いを示したランキングを発表し、フィリピンは4番目にクローニーによる支配が深刻な国として評価された。3月31日の英字紙インクワイアラーが報じた。
エコノミスト紙の最新調査によると、比の2021年度の国内総生産(GDP)のうち国内有数の富豪による富の創出分は10%を超えているほか、それらの富豪の約80%は現在のドゥテルテ政権とのつながりが深いクローニーだと見られている。
同紙によると、昨年のクローニーによる経済支配の度合いが最も深刻だった国はロシアで、2~3番目はマレーシアとシンガポールだった。2016年の前回調査では、比はロシアとマレーシアについで3番目にランク付けられていたことから、今回は1ランク改善したことになる。
ちなみにエコノミスト紙による同種の調査が初めて実施された2014年のランキングでは、比は、マレーシア、ロシア、ウクライナ、シンガポールに次いで5番目にランク付けされていた。
同紙ではクローニーについて、銀行やカジノ、国防関係や鉱山事業、そして建設業などの事業を経営し、政権とのつながりゆえに政府官庁に働きかけ政策を変更させて利益を得る手段を行使しやすい者たちと定義している。