比が東南アジアトップの5.9% 世銀22年経済成長率見通し
世銀レポートによると、フィリピンの22年の経済成長率は5・9%と東南アジアでトップの予想
世界銀行は各国の経済成長を予測する世界経済見通し(22年1月版)を公表した。それによると、フィリピンの22年の経済成長率は5・9%と東南アジアでトップ、23年は5・7%でベトナムに次ぎ2位だった。
相対的に高い経済成長率を予想した理由として世銀は、公共投資の継続と家計消費の回復という2要因を挙げた。インフラ整備プログラム「ビルド(建設)・ビルド・ビルド」を含む過去最大5兆240億ペソの22年予算の通過と「リベンジ消費」への期待が経済予想にも反映された格好だ。
一方で世銀は今年の比の成長は「6%を超えていたコロナ前の水準には回復しない」とも指摘。比政府は昨年第4四半期の経済回復から今年の経済成長7〜9%と予想しているが、その水準には達しないというのが世銀の見立てだ。
今回の報告書では、シンガポール、ブルネイ、ミャンマーの3カ国を除く東南アジア諸国の予想経済成長率が提示された。22年の成長率でフィリピンに次いで高かったのはマレーシアで5・8%。次いで、ベトナム5・5%、インドネシア5・2%、カンボジアとラオス4・5%、タイ3・9%、東ティモール3・7%の順。
予想値が提示された8カ国全てで21年成長率(推計値)を大幅に上回った。東南アジア諸国連合(ASEAN)主要5カ国を中心に、着実なコロナ禍からの経済回復が予想されている。
23年の経済成長率予測は、ベトナムが最高で6・5%。次いでフィリピン5・7%、カンボジア5・5%、インドネシア5・1%、ラオス4・8%、マレーシア4・5%、タイと東ティモール4・3%の順だった。(竹下友章)