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11月19日のまにら新聞から

「第4次産業革命」ビジネス続々 日本の新興企業10社がプレゼン

[ 1202字|2021.11.19|経済 (economy) ]

比最大級のイノベーションイベントに日本の新興企業10社が参加しビジネスを紹介

ピッチ(プレゼンテーション)を行うサグリ株式会社の永田賢氏=17日

 フィリピン最大級のイノベーションイベント「イグナイト2021サイバー」に17日、日本の新興企業10社が参加し、審査員の前でAI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)技術を活用した新しい事業のプレゼンテーション(ピッチ)を行った。日本貿易振興機構(ジェトロ)が同イベントに日本企業用の時間を設けるよう働きかけて実現した。

 基調講演では米スタンフォード大米国・アジア技術経営センターのリチャード・ダッシャー特任教授が18世紀以降の産業革命の進展の歴史を概説。蒸気機関が手工業に取って代わった第1次、19世紀半ばからの電力を用い大量生産が可能になった第2次、1940年以降のコンピューターの実用化とICT(情報通信技術)が社会のどこでも利用されるようになった第3次の各産業革命に続き、2010年代からAI(人工知能)や仮想通貨に用いられるブロックチェーン技術が新たな価値を創出する第4次産業革命が始まったと整理。「現在はその過渡期にある」と指摘した。

 ピッチでは日本の新興企業が第4次産業革命のさきがけとなる自社サービスを紹介。

 GMS株式会社は、銀行ローンを組めず就業に必要な自動車を取得できない層が世界で17億人おり、自動車の所有者から多額のレンタル料を徴収され貧困から抜け出せない専業運転手が多いことを問題視。IoT(モノのインターネット)技術を活用し、遠隔地から走行記録などを分析、また自動車のエンジンを停止できるシステムを金融機関に提供することで、働く意欲のある人が適切なモニタリングを受けながら自動車ローンを組めるようにする事業を紹介した。

 またAI技術を使った新たなビジネスも登場。株式会社アジラは、AI技術を活用し監視カメラの映像をリアルタイムで解析し、不法侵入、人物の特定、不審な行動を探知する自社サービスを報告。サグリ株式会社は、人工衛星が収集する時系列地表データをAIで分析することにより、遠隔地からの農地状況把握、適切な肥料散布計画、農業生産性の向上を実現するサービスを紹介した。

 その他にも、営業やコールセンターの電話内容を記録、文字起こし、分析し可視化するサービス「ミーテル」を提供する株式会社レブコム、超小型衛星を活用した宇宙ビジネスを行う株式会社アクセルスペース、オンライン本人認証サービスの株式会社トラストドック、ディープラーニングを応用したデジタルスキャナーを提供するネットスマイル株式会社、AIスキル学習サービスの株式会社アイデミーなど、多彩なビジネスモデルが報告された。

 ジェトロマニラの中村和生所長は、結びのあいさつで、日本の新興企業と東南アジアの企業の協同が進むことで「デジタルトランスフォーメーション(デジタル化によるビジネス・生活の劇的な変容)が進み、さらなる技術革新がこの地域で生まれると信じている」と期待を寄せた。(竹下友章)

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