コロナ禍で住宅購入意欲高まる 比のミレニアム世代がけん引
コロナ禍でミレニアム世代と呼ばれる国内の20〜40代の若者による住宅購入意欲が高まっている
低価格住宅開発業者らが加盟する「全国社会的および経済的住宅開発業者組織(OSHDP)」によると、昨年3月に国内で新型コロナウイルス感染の拡大が始まって以来、20〜40代までのいわゆるミレニアム世代の間で住宅を購入する意欲が急激に高まっている。その多くがビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPО)で働き経済的に余裕があることに加え、リモートワークの普及で住環境に対する意識が強まったことが要因とみられている。
英字紙インクワイアラーによると、加盟会社の一つであるインペリアル・ホーム・グループのエマ・インペリアル社長兼最高経営責任者は「顧客の78%はミレニアム世代で、その多くはBPOで夜間勤務。彼らは以前、車や電子機器などに興味を持っていたが、コロナ禍で在宅勤務が続き、考えがすっかり変わった。気候変動や『持続可能な』住宅に興味を持つようになった」と述べている。
別の開発会社の幹部も「コロナ禍で多くの若者が両親と一緒に家で過ごすようになり、自宅を持つことに関心を示す人が一気に増えた。私が出会った顧客で最も若い人は19歳で、高校卒業後にBPOに就職し、家を買うことをすでに希望している」と説明、独身の若者らが住宅購入に意欲を持っている様子を紹介した。
OSHDPのオリバレス会頭も「政府持家促進相互基金(PAG―IBIG)を通じた住宅ローンを9割の顧客が利用している」とした上で、特に「低価格住宅向けの住宅ローンの金利が3%と固定されていることから利用が進み、住宅購入もたやすく決心できる」と消費者側の心理を説明している。
OSHDPは11月12〜13日にかけてオンラインで「購入可能な住宅サミット2021」を開催する予定。不動産開発業界では気候変動問題を受けて、竹を部材に使う住宅建設など環境に優しいグリーン技術が高級住宅だけでなく、低価格住宅の分野にも普及しつつあるという。同サミットでは専門家30人以上の講演やオンライン相談会などを実施、5千人の視聴者を予定している。(澤田公伸)