「インフレ率は2%まで落ち着く」 ジョクノ新中銀総裁、成長支援へ
ジョクノ前予算管理長官が中央銀行総裁に就任。インフレ率は2%に落ち着くとの見方
ジョクノ前予算管理長官は6日、中央銀行総裁に就任した。長官としての最後の記者会見でジョクノ氏は「今年第3四半期にもインフレ率は2%にまで落ち着く」との見方を示した。また、政策決定は「根拠に基づき、注意深い検討の末にされるべき」と述べ、エスペリニャ前総裁の方針を引き継ぎ、「力強く安定した経済成長を追い求める」と表明した。
ジョクノ氏は「中央銀行は独立を保たなければならないが、そのことは政府とぶつかるということではない」とし、長年、政府の予算立案に関わり、政策に精通している面をアピールした。対応すべき脅威として電子化が進む金融システムのサイバーセキュリティーを挙げた。
また、金融機関が預金の支払いのために保有する支払準備金の預金総額に対する比率の引き下げを早めたいとの意向も示し、「3、4月にインフレ率がさらに下がったらできるだろう。(現在の18%は)高すぎる」と述べた。預金準備率の引き下げなどを通じ金融緩和を進めていくとみられている。
消費者物価指数(CPI)上昇率は原油高などを背景に昨年9月には6・7%を記録するなど急騰、政府目標の2〜4%を上回ったが、2月には3・8%まで落ち着いている。中銀は物価上昇を受け、昨年5回にわたって政策金利を引き上げた。
次回の金融政策委員会は21日に開かれ、ジョクノ総裁は初めて出席する。(森永亨)