「心の底から感謝」 サッカー用品を比へ寄付
日本サッカー協会と日本政府が比にサッカー用品を供与。引き渡し式が行われた
首都圏パシッグ市のフィリピン・フットボール連盟(PFF)本部で28日、日本サッカー協会(JFA)および日本政府から比へ供与されたサッカー用品の引き渡し式が行われた。
今回、JFAがPFFに対してサッカー用品を無償で供与し、スポーツ外交推進事業の一環として日本の外務省がその輸送費を負担した。引き渡されたのはサッカーボール48個、ユニフォーム上下25着、ソックス37足、リュック24個。
同式典には在フィリピン日本国大使館広報文化センターの松田茂浩所長、マリアーノ・アラネタPFF会長、そしてJFAから土田哲也ユース育成ダイレクターらが出席した。
松田所長は冒頭のスピーチで「寄付されたサッカー用品とJFAの知識の移管によって、才能ある若い選手が育ち、地元から国を代表する選手が生まれることを願う」と述べた。
選手時代に対日本戦で得点を奪ったこともあるというアラネタ会長は「JFAからは毎年寄付をもらっている」として「心の底から感謝。今後もこのパートナシップを長く継続したい」と語った。
JFA公認海外派遣指導者として3月からフィリピンに着任している土田さんは比のサッカーにおけるポテンシャルが大きいとした上で、「他国のスタイルを真似るだけではなく、比に適した独自性を追求したい。そのためにも比をもっと知りたい」と意気込んだ。
▽「比はサッカーに適している」
主にU12(12歳以下)とU14(14歳以下)のチームを指導しているという土田さんは比のサッカーについて「歴史上、海外からのさまざまな血が混ざった比人はある分野に特化した人も多い。ポジションごとに活かせる人材が豊富で、サッカーに適していると感じる」と明かした。
また課題については「才能ある選手が日の目を見ずに埋もれている。リーグやトーナメントも少なく、サッカーの機会も少ない」と説明。「成長できる機会を与えればもっと伸びる」と比のポテンシャルを指摘した。
土田さんは人材発掘と能力開発、認知度向上の必要性を挙げ、今後日本の良さや技術を選手に継承するとともに、自身が先導する人材発掘システムの構築に注力すると強調した。(沼田康平)